4月1日なのでやはりこれですかね。
追記からどうぞ。
追記からどうぞ。
「なあ桜」
ここは李小狼と妻・(木之本)桜が暮らすマンションの一部屋の、
その家の一室である二人の部屋。
「ほえ?」
小狼の呼びかけに、桜は小首をかしげた。
「棗と向日葵、もうすぐ友枝小学校に入学だよな」
「だね。
ついこの間まで赤ちゃんだと思ってたのに」
双子の兄妹の成長に驚きつつも目を細める二人だった。
「白狼も一緒に学校に通う奴が出来て楽しみが増えるかもな」
「かもね。
でも白狼、生まれたときは・・・・・・・・・・」
「そうだな・・・・・・・・・・・。
あとで我が李家お抱えの医師から伺ったんだけどな・・・・・・」
白狼が生まれたときは、産声がかなり弱々しかった。
そのため医師の判断が必要になった事から、
彼は保育器に入れられたのだった。
それから数日の間検査が行われたのだが、
これと言った異常は見当たらなかった。
しかも、保育器の中で元気を取り戻した事もあり、
1週間で保育器の外に出る事が出来、
さらにもう1週間後には無事退院出来たのだった。
ところが、小狼から白狼の事を聞いて懸念を示した夜蘭が日本に派遣した、
李家お抱え医師が診断したところ、
実は小狼はおろか桜をもしのぐ強力な魔力を保持している事が判明したのだった。
故に出生直後は、その強大な魔力と戦っていたが故に、
あんな状態だった、と言うのだ。
「まさか自分の魔力と戦っていたとはな」
「あのこと聞いたときはびっくりしたよね。
でも白狼はそれに勝ったんだよね。
だから今があるんだよね」
「そうだな」
白狼の生命力の強さに、
親である2人も驚くのだった。
「ただ、この事、あいつに言うべきなのかな・・・・・・・」
「魔力の事?
それが元であぶなかった事?」
「そうだ」
彼は、父として息子に出生の秘密を明かすべきかどうか悩んでいたようである。
「とにかくあいつの魔力はあまりにも多過ぎる。
下手したら自分でコントロール出来るかわからなくなる危険性がある。
いや、生まれたときはまさにその状態だったんだ。
それをあいつは無事乗り越えてきたんだ。
だから、俺の跡を本気で継ごうとしてるあいつには、
やはりこの事は話すべきなのかもな・・・・・・・・・・・」
「でも、そんな恐ろしい事話しても大丈夫?」
小狼の深刻そうな語りように、桜は不安になった。
「そこなんだよな。
あいつ、そろそろ難しい年齢にさしかかりそうだしな」
いわゆる反抗期とやらである。
「多感なお年頃、と言うよね。
白狼の今後に暗い影を落とすかも知れないものね・・・・・・・・・・」
「だから難しいんだよな・・・・・・・・」
すっかり考え込んでしまった小狼と桜であった。
「・・・・・・・・・こらあかんな。
おかん向日葵と一緒にトイレ行ってくれそうにないで」
2人の部屋で聞き耳を立てていた(仮の姿の)ケルベロスは溜息をついた。
「そんなあ・・・・・・・・・」
向日葵は絶望感に襲われた。
「せやかてわいがおるやないか。
一緒にトイレ行こな向日葵」
ケルベロスは彼女を励ます。
だが彼女は半べそをかいたままだった。
「だって・・・・・・・・・
ママがいっしょじゃないと・・・・・・・・・・・
おばけこわいんだもん」
(ほんまに桜の娘やな・・・・・・・・・・)
ケルベロスは変に感心したのだった。
「でもな向日葵、
オカンとていつも向日葵のそばにおるわけやないからな。
代わりにわいがおるやないか。
勇気出してわいといっしょに、トイレ行こな」
「うん・・・・・・・・・・・・・」
かくして母親である桜の助けを望めなくなった向日葵は、
ケルベロスといっしょにその場を離れ、暗い中を歩くハメになったのだった・・・・・・。
※あとがき
子供の成長で気になる事が出て来るのは
世の親ならよくある事なんじゃないでしょうかね?
小さくも親になればそうなると思います。
それこそ愛情を注ぎまくってるでしょうからね。
さくらちゃん(あえてこう表記)の誕生日につき二次創作小説をひとつ、と言うわけで。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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